【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】

1-4 望み

 ある程度の距離を飛び、ガヴェアの国境を越えたと思われる頃。

 スイレンを抱いたままのリカルドを乗せた赤い竜は、高度を落とし始めた。

 同じように空に数多飛ぶ竜達も、示し合わせたように高度を落としていく。

「リカルド。可愛いお土産を、持って帰るんだな。こっちは決死の覚悟で、敵国王都にまで救出に行ったって言うのに。お前、囚われてから一体何をしてたんだよ」

 あきれた声が、すぐ近くから聞こえた。

 今居る状況が理解できないままで呆然としていたスイレンは、後ろ向きにリカルドに抱かれたまま彼の逞しい腕の中で何事かと身動ぎをした。

 声の方向に目を向けると、深い青の竜を駆る茶色の髪の男性が、二人を微笑みながら見つめていた。

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