【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
リカルドの反応を待ってか、首を傾げている仕草のあまりの愛らしさに笑み崩れそうになる心を必死で律した。
(何を考えているんだ。ここは、敵国ガヴェアだぞ。きっと、俺から情報を盗み取るための罠に違いない)
昔、騎士学校で習った、いわゆるハニートラップと呼ばれるものを警戒した。
(女慣れをしていないから、こんなに可愛い女の子に何か聞かれたら……べらべらなんでも聞かれていないことまで喋りそうな自分が憎い。しっかりしろ)
いくらもうすぐ死んでしまうとは言え、騎士としての忠誠を捧げている自国へと砂を掛けてしまう訳にはいかない。口を噤んで、大人しく従うべきだった。
何故か軽く首を振った彼女は、もう一度リカルドをじっと見つめた。
(……俺の顔って。今。どうなっているんだろう……彼女からは、どう見えている?)
檻の中には、身嗜み用の鏡など用意されている訳がない。泥が付いていないか、不恰好になっていないか。こんな状況の只中だと言うのに、そんな場違いなことを考えたりもした。
リカルドの目の前で、薄紅色の花が唐突に咲いた。
(何を考えているんだ。ここは、敵国ガヴェアだぞ。きっと、俺から情報を盗み取るための罠に違いない)
昔、騎士学校で習った、いわゆるハニートラップと呼ばれるものを警戒した。
(女慣れをしていないから、こんなに可愛い女の子に何か聞かれたら……べらべらなんでも聞かれていないことまで喋りそうな自分が憎い。しっかりしろ)
いくらもうすぐ死んでしまうとは言え、騎士としての忠誠を捧げている自国へと砂を掛けてしまう訳にはいかない。口を噤んで、大人しく従うべきだった。
何故か軽く首を振った彼女は、もう一度リカルドをじっと見つめた。
(……俺の顔って。今。どうなっているんだろう……彼女からは、どう見えている?)
檻の中には、身嗜み用の鏡など用意されている訳がない。泥が付いていないか、不恰好になっていないか。こんな状況の只中だと言うのに、そんな場違いなことを考えたりもした。
リカルドの目の前で、薄紅色の花が唐突に咲いた。