【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
そんなことが起こるとはまったく考えていなかったリカルドはもちろん物凄く驚いた。まじまじとその空中に浮かぶいくつかの花とその可愛い女の子を見比べた。はにかんでいるその様子から、彼女が何かしたに違いない。
しんとした朝の空気に荒々しい足音が、突然響いた。衛兵がいつも通りに尋問を始めるのだろう。捕えられた時から、リカルドが一言も何の情報も漏らさないのは、理解しているはずなのに彼等はやめない。
鉄格子のある視界の中で、後ろ姿の走っていく女の子が抱えている大きな籠から舞った花びらが、とても印象に残った。まるで強い香水の残り香のように、その光景が心に刻み込まれたのだ。
◇◆◇
(あの、可愛い子。また来ないかな)
リカルドがふーっと大きなため息をついて、広場を見渡しても、あの花籠を持った女の子はいない。
時折、籠の中を花いっぱいにした女の子を見ることがあった。だが、あの緑の大きな目を持つ可愛い子ではなかった。
祖国のヴェリエフェンディでは、花をあんな風に売り歩くという商売は見掛けたことがないのだが、ガヴェアではあれが一般的なのかもしれない。
しんとした朝の空気に荒々しい足音が、突然響いた。衛兵がいつも通りに尋問を始めるのだろう。捕えられた時から、リカルドが一言も何の情報も漏らさないのは、理解しているはずなのに彼等はやめない。
鉄格子のある視界の中で、後ろ姿の走っていく女の子が抱えている大きな籠から舞った花びらが、とても印象に残った。まるで強い香水の残り香のように、その光景が心に刻み込まれたのだ。
◇◆◇
(あの、可愛い子。また来ないかな)
リカルドがふーっと大きなため息をついて、広場を見渡しても、あの花籠を持った女の子はいない。
時折、籠の中を花いっぱいにした女の子を見ることがあった。だが、あの緑の大きな目を持つ可愛い子ではなかった。
祖国のヴェリエフェンディでは、花をあんな風に売り歩くという商売は見掛けたことがないのだが、ガヴェアではあれが一般的なのかもしれない。