【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】

2 初恋(Side Ricardo)

(はー……めちゃくちゃ、可愛いなぁ)

 物好きな可愛い女の子は、あれから早朝に顔を出してくれるようになった。

 雨に打たれて帰ることになった、あの日。風邪でも引いていないかと、ただ心配でリカルドは心ここに在らずだった。

 だが、翌朝にもまたひょこっと現れてくれて、リカルドは元気な姿を見て心から安堵した。

 あまり、お喋りな方ではないのか。途切れ途切れ話すその姿が可愛く思えて、彼女の細い体を抱きしめたくて堪らなかった。

「あの……これは、南国の花であんまり手に入らない種なんです。この前、いつも仕入れをするお店の人に特別に譲って頂いて……とっても、綺麗なんですよ。あの、ぜひ見ていただきたくて……」

 花籠を地面に置いてから、そう言いながら手に一粒の種を載せ、目を閉じて意識を集中させた。すると種は発芽し、みるみる内に大きな花を咲かせた。

 リカルドは産まれて初めて見た不思議な魔法に目を見張り、女の子はふふっと照れたようにして笑った。

 実はリカルドは彼女の手にする派手な花を、見たことがあった。

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