【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 もしかして、自分のせいでリカルドを良くない立場に追いやってしまったのではないかと思ったスイレンは、気が気ではなかった。

 スイレンは、勇気を出してリカルドを揶揄っているような様子のブレンダンに言った。

「あのっ……違います。竜騎士さまは何も……していません。私が勝手に近付いて、私が勝手に……そのっ……」

 彼をお慕いしていただけだと、そう言ってしまって良いものかとスイレンは迷った。

 リカルドはぐっと腕に力を込めて、スイレンを自分の前へと座らせると腕で囲むように彼女の前にあった皮の手綱を握った。

「ブレンダンは、同期の俺をただ揶揄っているだけだ。君は何も言わなくて、良い……ブレンダン。この腕輪は、外せないのか。俺は今、能力封じの腕輪を嵌められている」

「だから、こんなにもたもたとした速度でずっと飛んでいたんだな。良いよ。僕の予備の魔法具持って来て居るから。お前と彼女の分も、ほら」

 器用に飛んでいる竜を衝突寸前まで近付けると、ブレンダンはリカルドに腕輪を投げて渡した。

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