【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 状況説明を終えて、一緒に暮らそうと言えば、嬉しそうにはにかんで了承くれてそれだけでも天にも昇る気持ちだった。

(きっと彼女も同じ気持ちだとは思うが……今は婚約者が居る。とにかく急いでイジェマとの婚約解消を進めなければ。スイレンに、不誠実な男だと思われてしまうかもしれない)

 初めての恋をした、可愛い女の子。スイレンに嫌われてしまうことを、リカルドはひどく恐れていた。


◇◆◇


 その日の夜。近所に家のあるブレンダンが団長から預かったと言って、明日予定されている凱旋式の書類を持って来た。

 自分が拷問を受けて満身創痍だったとしたらどうするつもりだったのかと聞けば、檻の中に入れられて広場で見世物になっていたのは、こちらでも周知の事実だったらしい。

(なるほど。あの短時間での無茶な救出劇も、そう言われてしまえば納得出来るな)

 ざっと書類に目を通していけば、祝福のキス(婚約者か王女)と書かれていて、リカルドはうんざりした。

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