【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 いくつかの質問に生返事しながら、書類に目を通していくと、扉の方から控えめなノックの音がした。リカルドが止める隙もなく、近くに居たブレンダンが扉を開く。

 ブレンダンが急に上機嫌になって、自己紹介をしていた。なんだか嫌な予感がして、止めに入れば、可愛い寝巻きを身に付けたスイレンがおやすみの挨拶をしにきていた。

(今までも、あんなに可愛かったのに。もっと可愛くなっている)

 彼女を見た衝撃に、リカルドは頭の中が沸騰しそうになった。

 そうとは見えなかったが、今までの汚れを取り去ってしまったスイレンの白い肌は輝く真珠のようで、その栗色の髪は艶々していた。

(可愛過ぎて、目の暴力だ)

 とにかくブレンダンの目から隠そうと悪あがきをして、リカルドは二人の間に無理矢理体を滑り込ませた。

 何も知らないブレンダンがスイレンを城での凱旋式へと誘い、祝福のキスの文字を思い出したリカルドは大きな声でそれに否定の言葉を言ってしまった。

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