【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 スイレンは、大きな声にびっくりしたのか目を見開いた。言い過ぎたと思ったが、もう遅い。とにかく凱旋式には来てはいけないとだけ言い聞かせ、リカルドの言葉に大人しく頷いたスイレンは自室へと帰ってしまった。

 仕事の書類を持って来たブレンダンがいなければ、あのスイレンと少し話でもしたかったのにと思うと仏頂面になってしまった。

「おいおい。あんな言い方ないだろ。スイレンちゃん、びっくりしてたじゃないか」

 そう不満げに言っているブレンダンの言葉は、もう無視をした。

(スイレンは隣の部屋で、今はもうベッドに潜り込んでいるだろうか)

 寒さに凍えさせたり食べ物に困ったりは、絶対にさせない。これからあの子が快適に暮らせる場所を与えてあげたかった。

 そうしたら、自ら望んでリカルドの傍で笑って居てくれるかもしれない。

 あの可愛らしい笑顔を、もう二度と曇らせたくなかった。


◇◆◇


「婚約解消したいんだけど」

「賛成するわ。すぐに手続きしましょう」

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