【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】

4 医療行為(Side Ricardo)

(あの女の子なら、さっき竜舎に来たよ。今は、ブレンダンとクライヴと居るみたいだよ)

 心配になり家に帰れば、居るはずのスイレンが居ない。

 慌てて竜舎にやって来たリカルドに、呼ばれたワーウィックは面倒くさそうに答えた。

 近くに居た騎士見習いに言って、気乗りしない様子の赤い竜に急いで鞍をつけさせる。式典用の正騎士服は見た目華やかだが、動きづらい。だが、この後も面倒な予定があるために、着替えている暇がなかった。

 リカルドはとにかくやる気のないワーウィックを急かして、空へと舞い上がる。

 竜同士は近距離であれば、お互いの気配がわかる。

 ワーウィックが近くの空を飛んでいたクライヴを見つけるまでに、そう長くはかからなかった。

(あ。あの女の子。ブレンダンが、あんなに近づいてる、どうするの? リカルド)

 青い竜クライヴの背に乗り、寄り添っている二人を見て少し面白そうな声でワーウィックはリカルドに尋ねた。

 リカルドはスイレンに顔を近づけているブレンダンを見て、頭に血が上る前に逆に冷静になった。

(この距離にこの角度か。あいつなら、すぐに躱す事も可能だろう。まあ、当たってもクライヴの背に乗っているから、竜の守護はあるはずだし。あのバカの背中が、軽い火傷を負うくらいだな)

 スイレンには危険は絶対にないという計算をして、リカルドはワーウィックに言った。

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