【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
(ブレンダンに向けて、ブレスを吐け。ワーウィック)

(えーっ! 万が一にでも、女の子に当たったらどうするんだよ。リカルド)

 戸惑う相棒の声が、聞こえてくる。

(あいつは何をどう間違っても、女の子のスイレンに当てるような真似はしないだろう)

 そこに関しては、ブレンダンに対して妙な信頼感があった。それに、クライヴはこちらの気配に気が付いている。ブレンダンがスイレンに見惚れて何もしなくても、あの聡い竜が何とかするだろう。

 リカルドの本気を感じたワーウィックは、口の中に力を溜め始める。

(正確に狙えよ)

(うるさいなぁ。もう。気が散るから。リカルドは、黙っていてよ)

 ブレンダンから奪い返したスイレンに花を貰ったワーウィックは、今までに見たことがないほどに上機嫌になっていた。すこぶる機嫌の良い時の、鳴き声をしている。この声を聞くのは、久しぶりだった。

 一方、リカルドは華やかなお洒落をしているスイレンを、後ろから抱き竦め落ち着かない気持ちで胸はいっぱいだった。

< 299 / 340 >

この作品をシェア

pagetop