【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】


 スイレンと妹のクラリスの二人は、同じ年頃ということもあって意気投合したみたいだった。その事実に、リカルドは安心して胸を撫で下ろしていた。

 唯一の肉親であり、武骨な自分とは違い、貴族として処世術に長け抜け目のないクラリスに気に入られれば、スイレンと結婚してもそう障害もあるまい。

 クラリスの病気に、スイレンはひとつの推論を示してくれた。彼女の住んでいたガヴェアでは良くある症状らしい。

 もしその推論が当たっていたなら、もう治らないと思っていたクラリスの病状も良くなるかもしれない。

 とりあえず、自分の持っている仕事がひと段落したら調べてみようということで、その話は落ち着いた。

(リカルドリカルドリカルド)

 その日の夜は、溜めていた書類仕事を家に持ち込んで処理をしていたため、リカルドが寝たのは真夜中になってからだ。

 深い眠りの中で、泣きそうなワーウィックの声が呼んでいるような気がした。彼の声がまた頭の中で繰り返されて、リカルドは慌てて飛び起きた。

(……ワーウィック? 何があった?)

(大変なんだ。早く起きて! スイレンが!)

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