【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 起きたての頭に、一気に情報が流し込まれた。

 寒い高山の岩場で、黒い裂け目に落ちてしまうスイレンの映像も。

 リカルドはとにかく寒い場所に行く用の服に着替えて、戸棚から適当な冬服を掴むと、窓から飛び降りた。

 ワーウィックは、背に鞍を載せていない。帰りにスイレンを連れ帰ることを考えれば、一度竜舎に行くしかないだろう。


◇◆◇


 最速の速度で飛行したワーウィックは、件の岩場まで辿り着くと、リカルドをスイレンの落ちた岩の裂け目まで早く早くと急かした。

 リカルドが大きな裂け目に入り込めば、意識を失っているスイレンは倒れ込んでいた。

 その手には、鮮やかな黄色の花だ。スイレンの細い体を触れば、ひどく冷たい。

 急いで冬用の大きなマントで包み込めば、冷たくなった肌を直接温めるために彼女の服を脱がせた。下着と体に似合わぬ大きな膨らみも見えて、リカルドの頭に血が昇る。

(これは、医療行為だ)

 そう言い聞かせて、温めるためにリカルドも服を慌てて脱いだ。

 ヒヤリとした肌の感覚が、触れている部分全体に当たった。

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