【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 そして、告白もまだだと言うのに気が早いが、貴賎結婚になるために平民の奥さんを持つ竜騎士の先輩に教えを乞うたりもした。

(もう、すべてが無駄になったが)

 リカルドは呆然として、言葉もなくした。

 スイレンはリカルドと居ることを、喜んでくれていると思い込んでいた。檻の中に居る敵国の人間に、勇気を出して話し掛けるくらいなのだ。

(あんなに可愛い事をされれば、自分のことを気に入ってくれてたんじゃないかと、勘違いしてもおかしくはないじゃないか。あの可愛らしい笑顔ではにかむような表情を浮かべられれば……誤解しない男などいないんじゃないか。今日、告白すればすべてが上手くいくとそう思っていた)

 リカルドには手紙を読むまで、スイレンが絶対に受け入れてくれるという妙な自信があった。一緒に暮らしている家を出て行く程にまで、嫌われているなんて、かけらほども気が付かない程に。

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