【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 むしろリカルドはスイレン以外と結婚なんか、したくない。彼女と出来ないのなら、クラリスの血筋を養子にでも貰えば良いとまで考えていた。

 貴族である身分が、彼女の恋を邪魔するのなら捨てることも別に構わなかった。

 幼い頃からの努力で勝ち取った竜騎士であることは確かにリカルドの揺るぎない誇りだが、貴族の身分は偶然デュマースの家に生まれたというだけだ。それ以外に、何の意味もない。

 初めて触れた彼女の体は甘くて柔らかくて。そして、綺麗だった。

 疲れて寝入ってしまったスイレンの顔を見つめて、今日すぐに見つけられて心底良かったとリカルドは大きく息をついた。

 スイレンがずっと屋内に居たなら、竜で上空から探したところで見つからないからだ。

 明日から同僚達に相当揶揄われるだろうが、別に構わなかった。なりふりなんて構っていられない。これを失ってしまえば、もう生きていけないとまで思いつめているものを前にして、ちっぽけなプライドなど何の腹の足しにもならないからだ。

 これでやっと両思いになり、恋人同士になれた。

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