【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 黒いフードを被った魔法使い達は酒を飲み交わしながら、リカルドが鞭に打たれるのを見物していた。二度目に捕らえられた隣国の英雄とやらを、嘲笑っていた。

(絶対に。ワーウィックと共に、生きて帰る)

 ここでは頼みの仲間である竜騎士達の助けも、期待は出来ない。

 竜の加護を失って丸裸になればいかな威力の低い近距離の攻撃魔法であっても、直接当たってしまえば大怪我は避けられないからだ。

 逆に言うと魔の山を抜けてさえしまえば、いくらでも機会はある。

(生きてさえいれば、帰る機会はいくらでもある)

 リカルドは良くない考えに流されそうな自分に、必死で言い聞かせていた。

 身体中にスッとした冷たい感覚が走り空気が変わったと感じたのは、木の枝に吊るされてかなりの時間経った頃だ。

 リカルドは不思議なほどにそれまでに自分では感じていなかった圧が、あっという間になくなっていくのを感じた。

「……おい! 竜騎士が降りてくるぞ! 迎撃態勢に入れ!」

 周囲の慌てた声に、リカルドはつられて上空を見た。

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