【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 ワーウィックとクライヴはその年の選考試験の中でも目玉と呼ばれる程、力を持った二匹だった。

 クライヴは同期のブレンダンを、最初から気に入っているようだったが、ワーウィックは最後まで力を見たいと騎士達を試したのだ。

 ワーウィックの契約を勝ち取った嬉しさを、リカルドは今でも覚えている。だが、その時に敗者となったロイドの様子はどうだっただろうか。もう、覚えてもいなかった。

 訓練主体の近衛騎士を倒すことなど、実戦経験をいくつも積んだリカルドには簡単なことだった。

 竜騎士が実際の戦闘に使用する得物は長槍だが、短いナイフも使えないこともない。

 ジャックが倒れ、自分の背中にスイレンが抱きついて来た。

 彼女の服が自分の血で汚れてしまわないか、場違いなことを心配したリカルドは、手を回して傷のついていない胸に抱き寄せた。


◇◆◇


「リカルドの恋人が、クライヴとエグゼナガルの元に向かって結界を解いてもらうように交渉したんだって。愛されてて……羨ましい」

 同期で竜騎士の同僚ゴトフリーが、クライヴに鞍を取り付けながら耳打ちをしてきた。

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