【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 そう言ったクラリスの視線の先には、竜化して出立する準備ばっちりなワーウィックの顔を撫でていたスイレンだ。

 この季節は寒いからと色々と着せたから、動きにくそうにしているのがまた可愛く思えた。

「お兄さまが、ガヴェアに捕まっていると聞いた時も、不思議と全然怖くなかったの。今までだって、どんな窮地もひっくり返してきたから。きっと、今回もそうなるだろうって、信じていたわ。まさか……囚われた敵国から、未来のお嫁さんを連れて帰るなんて……夢にも思わなかったけどね?」


◇◆◇


 スイレンの書類を彼女の生まれた国であるガヴェアに取りに行った帰り、ふと思いついて南国へと進路を取った。

 思いの外、ガヴェア辺境の役所での手続きが早くに済んで、リカルドの休みが余ったからだ。

 ガヴェアは戦争が終わったとはいえ、ヴェリエフェンディとはお世辞にも仲がよろしくない。そんな国で長居するのは、賢い選択とは思えなかった。

 そして、リカルドは檻の中に居た時に、スイレンが見せてくれた派手な花の花畑を見せたら彼女が喜ぶんじゃないかと思った。

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