【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 眼下に広がる南国の海は、透き通るような青だ。今まで見たこともない美しさにスイレンは喜び、そんな彼女の様子にワーウィックは機嫌の良さそうな鳴き声を上げた。

(あの花畑は……どこで見たんだったかな。本島の近くだったような気がする……)

 リカルドは、何年か前の記憶を思い出していた。思考の邪魔をするのは、相棒であるワーウィックの声だ。

(高速移動して、お腹すいた! ねえ。リカルド。スイレンに、お花を出してって言って!)

 呆れたことを言い出すワーウィックの望み通り、スイレンにそれを伝えると、彼女もこの南国に来てすっかり気分が上がってしまっているのか、たくさんの魔法の花を出した。

 ワーウィックはそれを見て喜び、キュルキュルと機嫌の良い鳴き声を出しながら食べ始めた。

 ぬるい南国の風に吹かれて、大きな口から逃れた花々が海に向かって落ちていく。

 青に飲まれていく鮮やかな色彩を見て、本当に綺麗だなとリカルドは思った。

 スイレンは花魔法しか満足に使えないと、自分を卑下することもある。

 だが、こうして人の心を和ませ、ワーウィックたちのような竜の心を掴むことも出来る。

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