【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「……そうか。リカルドも、そのくらいの分別はあったってことか……そうだな。スイレンちゃん、僕と気晴らしに空の散歩でもしようか?」

 彼の言葉に驚いたスイレンは、思わず涙を止めてブレンダンを見た。彼はなんとも言えない顔でスイレンを見つめ、どう答えるかどうかを窺っているようだった。

(ここで、ずっとこうしている訳にもいかない……)

 少し時間を置いて、スイレンは頷いた。


◇◆◇


 また、二人が馬車に乗って訪れたのは、巨大な半円形の建物だ。

 昨日スイレンがこの国に降り立った時にもこの場所に来たから、きっとヴェリエフェンディが誇る竜騎士団の駆る竜達が住むところなのだろう。

 ブレンダンの大きな手に引かれて入った竜舎は、とにかく広大だった。

 ブレンダンは慣れた様子で中で作業をしていた騎士見習いらしい若い男の子に、騎乗用の鞍を用意するように言うと軽くヒュウッと口笛を吹く。

 その時、巨大な竜舎の中を飛行していた青い竜が、一直線にブレンダンの立つ場所に降り立った。どうやら、ここが竜が竜騎士を乗せて飛行する前の準備する場のようだ。

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