【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 今まで庶民用の服しか着たことのなかったスイレンには、可愛い紫の小花柄のドレスも脱ぎ方がわからない。

 快く引き受けてくれたテレザに手伝って貰いながら、昨夜リカルドが何枚か買ってくれていた内のすとんとしたワンピースに着替えた。

 髪に飾られた複雑な留め具を外して貰って、背中へと流す。やっと落ち着いた気持ちになって、スイレンは大きく息をついた。

(こんなにお洒落したことなんて、今までの人生で初めてだったから疲れちゃった。貴族のお嬢様は、これが日常なのね……)

 ドレスは可愛くて、確かにそれだけを見れば眼福なのだが。コルセットは息苦しい。

 高価な生地で作られているだけあって重いし、汚れてはいけないと思うと自然に動きには気を使う。

 安心した表情のスイレンに、テレザは鏡越しに意味ありげな笑みを見せた。

「スイレンさん。気を付けておくんだよ。こうして、一人では脱ぎ着の出来ない服を贈ると言うことは。男性側の、君の服を脱がせたいっていう隠れた意味もあるんだよ」

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