【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「リカルド様は、確かに英雄と呼ばれる程に戦功を挙げられてはいるが……それも、あの理知的なブレンダン様が相棒である事もあってのことだと、私は聞いているよ。リカルド様は貴族だからねえ。身分もあって、名前も知られている。どうしても、目立つから。誉ある竜騎士と結婚出来るのは、この国では最高の嫁入りだよ。どんなに鍛錬を積んでも、数の限られたほんのひと握りの人間しか、竜騎士にはなれないからね。それに……」

 言葉を切ったテレザは、すっかり量が減って扱いやすくなったスイレンの栗色の髪に荒い櫛を通す。

「……それに?」

 途中で言葉を止めたテレザが不思議になってスイレンが振り返ると、テレザは笑いながら言った。

「どんなに、騎士見習いの中で勝ち残ったとしても……今。主人がいない竜に選ばれないといけないから。人格も、問われるんだよ。例えば……どんなに強くても、人を見下すような人間は、絶対に竜に選ばれない。竜は、相棒に高潔であることを望むからね」

「高潔……そう、そうですね」

 スイレンはテレザの言葉を聞いて、何度も頷いた。

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