【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 どうやらリカルド本人もそう思ったらしく、苦笑しつつクラリスのベッド脇に置かれていた椅子へと腰掛けた。

「だってお兄様。どんな状況でも、絶対に死なないじゃない。戦闘が仕事の竜騎士なのよ。戦場に出るたびに、いっつも心配をしていたら私の体が持たないわ」

 クラリスは貴族らしく高価そうなフリルやリボンで、飾られた可愛らしいネグリジェを着ていた。その時、彼女は初めてリカルドの後ろに隠れるようにして、立っていたスイレンに気がついたようだ。

「あら? お兄様。やっと、可愛い恋人が出来たの?」

 クラリスの揶揄うような言葉に、こほんとリカルドはわざとらしく咳払いをした。

「誤解を呼ぶようなことを、言うな」

「別に良いじゃない。イジェマだって、同じようにやっていることでしょう。それにあの人。竜騎士なんて、泥臭くて嫌いって言って憚らないじゃない。皆、国を守るために命をかけて戦っているのよ。私はイジェマの事、好きじゃないわ」

「クラリス」

 リカルドは、強い響きの言葉で妹の言葉を遮った。

 クラリスは面白そうな表情になってから、兄のリカルドに首を傾げた。

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