【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 言い終わった後にクラリスは、はあはあと荒い息をついた。

 苦しそうな様子を見て、スイレンは慌てて呼吸を整えようとしている彼女の背中を撫でた。近づくとやはり、何かすっとした薬草のような覚えのある匂いがする。

「ごめんなさい。ありがとう……もう、嫌になる。こんな、言う事の聞いてくれない体。大嫌いよ……お兄様の迷惑になるだけだもの。もう、いっそ死んでしまいたい……」

「クラリス様……」

 彼女を慰めようとスイレンは項垂れてしまったクラリスの目の前に、魔法の花を咲かせた。

 ぽんっぽんっと軽い音を立てて、宙に色とりどりの花が咲いていく。

「なっ……何……えっ!? これって、もしかして貴女が?」

 魔法の花が咲き乱れていく様子を目を丸くして驚くクラリスは、微笑んでいるスイレンの顔をまじまじと見つめた。

 そうしている間にも魔法の花は数を増やして、彼女のベッド周辺を埋め尽くしてしまいそうだ。

「はい。私です。あの……私、花魔法しか満足に使えないんですけど。クラリス様の心が和むのなら、いつでもこのお部屋をお花でいっぱいにしますね。だから、もう死にたいなんて言っちゃダメですよ」

< 77 / 340 >

この作品をシェア

pagetop