【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
そっと音を立てないように注意してその場を離れたスイレンは、クラリスの部屋へと戻り、リカルドの姿を見つけることは出来なかったと笑顔で嘘をついた。
◇◆◇
帰りの馬車の中で、スイレンはクラリスから、時折香るハーブの香りについて考えていた。
(絶対に、どこかで嗅いだことのある匂い……もしかしたら、ガヴェアではたまに聞いた呼吸器系に影響を及ぼす魔植物がクラリス様の喉に絡みついて。だから、満足な呼吸が出来ずに体調を崩しているのかもしれない)
以前、花の種を仕入れる先の店主に聞いた話を、スイレンが思い出していた。
風に乗って飛んでくる小さな種が、口の中から入って来て起こるという呼吸困難だ。魔植物が自生しているガヴェアでは、たまに起こる事で治療法も既に確立されている。
喉に絡みついた魔植物の苦手な花の蜜を、口から体に取り入れるのだ。そうすれば、体の中で呼吸を邪魔している植物はすぐに枯れてしまう。
(確か、治療に使われる花は……高山にある植物で……黄色い花)
「スイレン」
黙ったままで考え込んでいたスイレンは、前の座席に座ったリカルドの訝しむような声に我に返った。
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帰りの馬車の中で、スイレンはクラリスから、時折香るハーブの香りについて考えていた。
(絶対に、どこかで嗅いだことのある匂い……もしかしたら、ガヴェアではたまに聞いた呼吸器系に影響を及ぼす魔植物がクラリス様の喉に絡みついて。だから、満足な呼吸が出来ずに体調を崩しているのかもしれない)
以前、花の種を仕入れる先の店主に聞いた話を、スイレンが思い出していた。
風に乗って飛んでくる小さな種が、口の中から入って来て起こるという呼吸困難だ。魔植物が自生しているガヴェアでは、たまに起こる事で治療法も既に確立されている。
喉に絡みついた魔植物の苦手な花の蜜を、口から体に取り入れるのだ。そうすれば、体の中で呼吸を邪魔している植物はすぐに枯れてしまう。
(確か、治療に使われる花は……高山にある植物で……黄色い花)
「スイレン」
黙ったままで考え込んでいたスイレンは、前の座席に座ったリカルドの訝しむような声に我に返った。