婚約者の愛が重すぎるのでわからせようと思います!
ルーカスは結局わからされてなんていなかったし、全く変わっていなかったのだ。
ルーカスに連れて来られた別荘には必要最低限の使用人しかおらず、まさに私とルーカスだけで成立する世界だった。
「…はぁ」
ここまでのドタバタ劇を思い返し、深いため息をつく。
けれど、このため息はルーカスだけではなく、自分自身へのものでもあった。
私はここでルーカスと2人で過ごせると聞いた時、戸惑いもしたが、同時に嬉しかったのだ。
私も結局、ルーカスと同じ穴の狢なのだ。
「ゾーイ」
後ろからルーカスが甘い声で私を呼ぶ。
声の方へと振り向くと、そこには夕日を浴び、キラキラと輝くルーカスの姿があった。
ルーカスの後ろには、立派すぎる別荘も見える。
「ここにいたんだね」
こちらにゆったりと近づいてきたルーカスの赤色の瞳には、私への溢れんばかりの愛がある。
その瞳に胸がきゅーんと締め付けられた。
少し前にヴァレンタイン公爵家から連絡があり、忙しく対応していたルーカス。
彼を置いて私は1人でここに来ていた。
彼から離れたくてそうしたわけでない。ただこの夕日を見たかったのだ。