私は彼の所有物
ズルリと体をズラし顔を水につける。
全身がバスタブに浸かった。
水の中で目を開けると、真上からカメラを構えるケイさんが見える。
水のせいで歪んでいるけど。
あられもない姿なんだろうな。
もう慣れたけど、あそこだって見えているはず。
多分、私のホクロの位置も把握しているだろう。
そんな事を考えている時。
突然ケイさんの腕が伸びてきた。
そして首を押さえつけられる。
驚いて我慢していた息を全て吐き出してしまった。
目の前はブクブクっと泡だらけ。
手を動かし、足をバタバタと動かしてみるが
力の差を思い知らされる。
……ヤバい、死ぬ。
もう限界。
そう思った瞬間、首にあった腕は体に回り
抱きかかえてバスタブから出してくれた。
水から出た瞬間に、外の空気を吸い込む。
それから、むせる。
「菜緒
最高に良い写真が撮れた」
……この機嫌の良い顔を見ると、どんな事されようとどうでもよくなる。
ガタガタ震える体でケイさんの腕にしがみつく。
「菜緒、冷たいね」
「……は、は…い、さ、寒すぎます…」
ケイさんの手でバスタオルを体に巻かれる。
それでも寒くて体はまだ震えていた。
ケイさんに抱きかかえられたまま、今いる部屋から出る。
連れて行かれたのは、いつも撮影をしているベッドの部屋。
「菜緒が寒いって言いそうだったからここの暖房は入れておいた」
そう呟いて、震えて何も出来ない私の体をバスタオルで拭いていく。