私は彼の所有物
「脇上げて」
ケイさんの命令に従い、体を拭いてもらっている。
暖房のおかげで少しの暖かさを感じられる。
が、体はまだ寒い。
「背中拭くよ」
ケイさんが背後にまわった。
そして、背中に手が這う。
触られた場所が熱く感じる。
触れられるの慣れているはずなのに、いつも反応してしまう。
「きちんと背中、現状維持してるね
……綺麗だ」
その囁きが聞こえた瞬間、背中に生温かいものが押し当てられた。
それもなんども。
なんどもされれば、いくら私でも分かる。
キスだと。
ケイさんにとってキスはなんの意味も無いんだろう。
でも、私はこの瞬間が大好き。
「……なんであんな事したんですか?」
「何を?」
「溺れて死ぬところでした」
「良い写真のため」
まぁ、だろうと思ったけど…。
納得のいかない私を置いて、ケイさんは部屋を出てってしまう。
戻ってきたケイさんの手には、カメラ。
無言でそのカメラをパソコンに繋げる。
手招きされ、バスタオル一枚でパソコンに近付く。
「綺麗でしょ」
私が体験した苦しさをまったく感じさせない写真だった。
吐き出したブクブクで顔が見えなくなり、幻想的。
「……綺麗です」