私は彼の所有物



「だから言ってるでしょ?
君を綺麗に撮れるのは俺だけ」




自信満々のケイさん。
頷くことしか出来ない私。

ケイさんは傍にある煙草に火をつけた。
いつもの匂いがする。
私の好きな匂い。
その煙草を指に挟み、またカメラを構えた。




「菜緒、初恋いつ?」

「なんですか…突然」

「菜緒っていつも表情出さないじゃん
初恋の話したら、初々しい表情してくれるかなって思ってね」

「………どうせ写真に顔は出ないじゃないですか」

「まぁ確かに」




その会話をしてる時でさえ、ケイさんはカメラのシャッターを切る。
いい匂いといい音。
いつもの雰囲気にいつもの定位置に座り込んでしまう。
いつもの定位置とは真っ白なベッド。
湿った形跡があるそのベッドに寝転ぶ。

ケイさんとこういう関係になって、一年半ぐらい。
これからも続くだろう関係。
続いて欲しいような、欲しくないような…。



「菜緒
服着ないで寝ないで
風邪ひかせる気ないから」

「……ケイさん風邪ひきますか?」

「菜緒がひいたらそうなるだろうね」

「話が変わるんですけど
ケイさんって名前と出身国ぐらいしかプロフィール出してないじゃないですか
なんで?」




天井を見上げ、昔から感じていた疑問を投げかける。
すると、ベッドが軋んだ。
天井だけで無くケイさんの顔も目線に入ってくる。



「どんな奴かなんてどうでもいい」
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