過つは彼の性、許すは我の心 肆
思わぬ言葉に、息を詰めた。
「こっちこっち〜!」
「待ちなさい!病院は走らないで!」
子供と母親が私達の間を通過し、私も漸く口が動く。
「それ、は」
「事実ですからどう思われても構いません。幼いカズミの盾にならず、存在のない者として扱われているのを身内の癖して止めもしない。獅帥様達の事だって…最低最悪ですよ」
「…」
ーーーカズミさんと付き合う期間が長くなればなるほど、そう思う事も確かにあった。
2人は天條が関わる中でも優しく良識のある大人に見えるから、余計にそう思ったし、考えない様にしていた。
でも結局私がどう思うと、
「所詮、外野の言う事ですよ」
これに尽きる。
「自分だったらこうした、どうしてそうしなかったんだって。行動を起こした後からなら幾らでも言えるし、当時の現状を知らない人間が責めたてた所で笑い者ですよ」
四葉さんにいたって言えば、可愛がってくれた姉の子が恐ろしい目に遭わされると考えたら動く事が出来なかったのだろう。やっぱり机上の空論にすぎないと思う。
「…私は凌久の母には世話を焼いてもらっていたんです」
凌久君のお母さんは世話焼きさんだったんだ…。
考えてみれば、四葉さんもミケとして困った事があると何かと世話を焼いてくれていたし、凌久君も確かにも面倒見いいもんね。
「私は特にだらしなかったので、よく叱られました」