1度ならず2度までも君に恋をする
二人で
数ヶ月が経過し、街には本格的な冬が訪れていた。
バレンタインの時期は毎年冷え込むけれど、特に今年は例年にない寒波が押し寄せ、凍えるような冷え込みが続いている。雪がちらつく日も多くなり、そんな夜は決まって、私たちは真紘くんの家まで歩いて帰るようになった。
会社から三駅ほどの距離は、いつ来るか分からない電車をただただ立って待つよりも歩いてしまった方が早い。私の家より、真紘くんの家の方が近いからなんて、そんなもっともらしい理由を添えて、私達は会社から少し離れた場所で待ち合わせ、肩を並べて家路を急ぐ。
「寒いね…」
マフラーに顔を埋めても、空気に触れている肌が刺されるように痛い。隣を歩く真紘くんも、寒さに耐えるように肩をすくめている。
「今日は温かいのがいい。家に白菜とうどんと肉とえのきくらいはあったよね。鍋にしよう」
「出汁買ってないよ」
「ポン酢あるし水炊きでいいよ、もう。買い物するのも無理」
寒さのあまり弱音を吐くと、真紘くんが「スーパーに寄った方があったかいかも」と言いながら、小さく笑った気がした。
彼はそのまま私の手を取り、自分のコートのポケットの中へと引き入れる。
突然の事に驚き彼の方を見ると、彼もこちらを見ていた。
「これなら、少しはマシ?」
大きな手のひらに包まれ、ポケットの中で体温を分け合う。
顔に当たる風は相変わらず冷たいけれど、繋がれた手から伝わる温もりが、私の心もじんわりと温めていく。
「真紘くん、これめっちゃいい。毎日寒くていいかも!」
「バカ。毎日はやらないから」
「ええ!?」
私の大げさな反応に少し笑いながら、彼はポケットの中で、私の手を握る力をぎゅっと強めてくれた。
そんな"バカ"の言い方が凄く優しくて、甘い。
だからそう言われるのが嫌いじゃない。
ふと横を向くと、彼は真っ直ぐ前を見ながら歩いている。
本を読んでいるときも、隣を歩いているときも、仕事をしているときも。何かに没頭したり、ただこうして移動していたり。何かの瞬間にふと横に並んで眺める彼の横顔が、私は昔から好きだった。
バレンタインの時期は毎年冷え込むけれど、特に今年は例年にない寒波が押し寄せ、凍えるような冷え込みが続いている。雪がちらつく日も多くなり、そんな夜は決まって、私たちは真紘くんの家まで歩いて帰るようになった。
会社から三駅ほどの距離は、いつ来るか分からない電車をただただ立って待つよりも歩いてしまった方が早い。私の家より、真紘くんの家の方が近いからなんて、そんなもっともらしい理由を添えて、私達は会社から少し離れた場所で待ち合わせ、肩を並べて家路を急ぐ。
「寒いね…」
マフラーに顔を埋めても、空気に触れている肌が刺されるように痛い。隣を歩く真紘くんも、寒さに耐えるように肩をすくめている。
「今日は温かいのがいい。家に白菜とうどんと肉とえのきくらいはあったよね。鍋にしよう」
「出汁買ってないよ」
「ポン酢あるし水炊きでいいよ、もう。買い物するのも無理」
寒さのあまり弱音を吐くと、真紘くんが「スーパーに寄った方があったかいかも」と言いながら、小さく笑った気がした。
彼はそのまま私の手を取り、自分のコートのポケットの中へと引き入れる。
突然の事に驚き彼の方を見ると、彼もこちらを見ていた。
「これなら、少しはマシ?」
大きな手のひらに包まれ、ポケットの中で体温を分け合う。
顔に当たる風は相変わらず冷たいけれど、繋がれた手から伝わる温もりが、私の心もじんわりと温めていく。
「真紘くん、これめっちゃいい。毎日寒くていいかも!」
「バカ。毎日はやらないから」
「ええ!?」
私の大げさな反応に少し笑いながら、彼はポケットの中で、私の手を握る力をぎゅっと強めてくれた。
そんな"バカ"の言い方が凄く優しくて、甘い。
だからそう言われるのが嫌いじゃない。
ふと横を向くと、彼は真っ直ぐ前を見ながら歩いている。
本を読んでいるときも、隣を歩いているときも、仕事をしているときも。何かに没頭したり、ただこうして移動していたり。何かの瞬間にふと横に並んで眺める彼の横顔が、私は昔から好きだった。