1度ならず2度までも君に恋をする
慌ただしくいくつもの案件をこなしながら、仕事は至極順調に進んでいた。
現在、夏帆ちゃんは数か月前に支社へと転勤し、もう本社にはいない。以前から噂になっていた出世コースとしての異動で、早くて一年、長ければ数年の期間を経て本社へ戻ってくる予定になっている。
ランチタイムなどで他愛もない話を共有できる友人がいないのは、想像以上に寂しい。けれど、今はなんとかやっている。
彼女が不在の穴を埋めるように仕事に打ち込んでいた。
ふとオフィスの入り口に目を向けると、真紘くんが険しい表情を浮かべて戻ってきたところだった。手には何かの資料を固く握りしめている。
現在、社内ではインフルエンザが猛威を振るっており、深刻な人手不足に陥っていた。それはコピーライターも例外ではない。休んでいる社員の案件を互いにカバーし合い、業務を回している。私も複数の案件を同時進行で抱え、息をつく暇もないほどだった。
真紘くんはそのまま自分のデスクへ向かい、席に着くなり手元の資料に視線を落としていたけれど、その資料を持つ指先が、ほんの少しだけ震えていた。
あまりに微かなその異変に、周囲の誰も気づいていない。
だけど、今の私には分かってしまった。
何かあったのか、それとも彼自身の体調が限界に近いのか。その問いかけは、社員が何人かいるオフィスでは何も出来ず、今の私には彼を見守ることしかできなかった。
現在、夏帆ちゃんは数か月前に支社へと転勤し、もう本社にはいない。以前から噂になっていた出世コースとしての異動で、早くて一年、長ければ数年の期間を経て本社へ戻ってくる予定になっている。
ランチタイムなどで他愛もない話を共有できる友人がいないのは、想像以上に寂しい。けれど、今はなんとかやっている。
彼女が不在の穴を埋めるように仕事に打ち込んでいた。
ふとオフィスの入り口に目を向けると、真紘くんが険しい表情を浮かべて戻ってきたところだった。手には何かの資料を固く握りしめている。
現在、社内ではインフルエンザが猛威を振るっており、深刻な人手不足に陥っていた。それはコピーライターも例外ではない。休んでいる社員の案件を互いにカバーし合い、業務を回している。私も複数の案件を同時進行で抱え、息をつく暇もないほどだった。
真紘くんはそのまま自分のデスクへ向かい、席に着くなり手元の資料に視線を落としていたけれど、その資料を持つ指先が、ほんの少しだけ震えていた。
あまりに微かなその異変に、周囲の誰も気づいていない。
だけど、今の私には分かってしまった。
何かあったのか、それとも彼自身の体調が限界に近いのか。その問いかけは、社員が何人かいるオフィスでは何も出来ず、今の私には彼を見守ることしかできなかった。