1度ならず2度までも君に恋をする
週末、私はいつものように彼の家を訪れていた。
ここ最近の彼は、私が寝室に入って眠りについた後、決まってリビングのデスクに向かい、ノートパソコンと対峙している。
画面を凝視しながら、紙にペンを走らせる。書いたと思えば、すぐに苛立ったような手つきで何度も線を引いて打ち消す。
薄暗い部屋に、紙を裂くようなペンの音だけが響き、それから決まって重たい溜息。
「真紘くん…?」
意を決して声をかけると、彼は目を見開き、そっとノートパソコンを閉じた。
「…起こした?」
「ううん、ちょっと眠りが浅くて。私、コーヒー淹れるつもりなんだけど、真紘くんも飲む?」
あえて自分の都合であるかのように装った。ストレートに言った所で、彼は私には甘えてはくれない。甘えるのが下手な彼が、すんなり甘えるためにどんな言い方をしたらいいのだろうか、と考えたら、あくまで彼を気遣い過ぎない程度に、ついでを装う事でしか、きっと応じてくれないと思った。
真紘くんは少しだけ迷うような表情を見せたけれど、やがて「お願い」と小さく零した。
私はポットに水を入れながら彼に「コピー、書いてるんだって?」と、何気ない感じで問い掛けた。
すこし沈黙が流れた後、真紘くんは「…うん」と答えた。
ここ最近の彼は、私が寝室に入って眠りについた後、決まってリビングのデスクに向かい、ノートパソコンと対峙している。
画面を凝視しながら、紙にペンを走らせる。書いたと思えば、すぐに苛立ったような手つきで何度も線を引いて打ち消す。
薄暗い部屋に、紙を裂くようなペンの音だけが響き、それから決まって重たい溜息。
「真紘くん…?」
意を決して声をかけると、彼は目を見開き、そっとノートパソコンを閉じた。
「…起こした?」
「ううん、ちょっと眠りが浅くて。私、コーヒー淹れるつもりなんだけど、真紘くんも飲む?」
あえて自分の都合であるかのように装った。ストレートに言った所で、彼は私には甘えてはくれない。甘えるのが下手な彼が、すんなり甘えるためにどんな言い方をしたらいいのだろうか、と考えたら、あくまで彼を気遣い過ぎない程度に、ついでを装う事でしか、きっと応じてくれないと思った。
真紘くんは少しだけ迷うような表情を見せたけれど、やがて「お願い」と小さく零した。
私はポットに水を入れながら彼に「コピー、書いてるんだって?」と、何気ない感じで問い掛けた。
すこし沈黙が流れた後、真紘くんは「…うん」と答えた。