1度ならず2度までも君に恋をする
ランチから戻ると、すぐに会議が始まった。
議題は、先日リサーチしていたあのチョコレート、えんじ色のパッケージを纏った高カカオ商品のCM制作のアイデア出しの会議だった。
ここで合意、形成された内容をもとに、次はプレゼンの準備へと移る。そこでクライアントへ提案をし、承認を得て、ようやく実制作であるコマーシャル作成に取り掛かることができる。
自分なりに必死にキャッチコピーを練り上げてきたつもりだが、"つもり"では決して通用しないような場所だ。
案を出しては容赦ないダメ出しを喰らい、ひたすら壁打ちを繰り返して、最後に残った一握りの案だけが採用される。
もし何も残せなければ、待っているのは担当交代の宣告だけ。
毎度内部で行われるこの会議が、和やかに進んだ試しなんてこの二年間の中で一度もなかった。
重くため息を吐き出し会議室の扉を開けると、そこには各部署の担当者が既に顔をそろえていた。
アカウント・エグゼクティブ局の佐久間 海くん。彼は私や夏帆ちゃんの同期であり、先ほど声をかけてくれた佐久間亮介さんの弟でもある。
営業を担う彼の部署は、予算やスケジュールの管理、クライアントの意向を制作チームに届ける橋渡し役だ。今日の会議での進行をする。
ストプラ局からは佐久間さん、クリエイティブ局からはアートディレクター、そしてプランナーとして夏帆ちゃんが席についている。
───そして、クリエイティブ・ディレクターの席には、真紘くんがいた。
「忘れて」と冷たく突き放されたあの日以来、会社で顔を合わせるのは初めてだった。午前中は社外に出ていたのか、姿を見かけないことに安堵していたのに…。
いつかどこかで顔を合わせることが避けられないのは理解していたが、彼がこの会社に来てすぐに、同じチームとして一つの案件に向き合うことになるなんて、予想すらしていなかった。
議題は、先日リサーチしていたあのチョコレート、えんじ色のパッケージを纏った高カカオ商品のCM制作のアイデア出しの会議だった。
ここで合意、形成された内容をもとに、次はプレゼンの準備へと移る。そこでクライアントへ提案をし、承認を得て、ようやく実制作であるコマーシャル作成に取り掛かることができる。
自分なりに必死にキャッチコピーを練り上げてきたつもりだが、"つもり"では決して通用しないような場所だ。
案を出しては容赦ないダメ出しを喰らい、ひたすら壁打ちを繰り返して、最後に残った一握りの案だけが採用される。
もし何も残せなければ、待っているのは担当交代の宣告だけ。
毎度内部で行われるこの会議が、和やかに進んだ試しなんてこの二年間の中で一度もなかった。
重くため息を吐き出し会議室の扉を開けると、そこには各部署の担当者が既に顔をそろえていた。
アカウント・エグゼクティブ局の佐久間 海くん。彼は私や夏帆ちゃんの同期であり、先ほど声をかけてくれた佐久間亮介さんの弟でもある。
営業を担う彼の部署は、予算やスケジュールの管理、クライアントの意向を制作チームに届ける橋渡し役だ。今日の会議での進行をする。
ストプラ局からは佐久間さん、クリエイティブ局からはアートディレクター、そしてプランナーとして夏帆ちゃんが席についている。
───そして、クリエイティブ・ディレクターの席には、真紘くんがいた。
「忘れて」と冷たく突き放されたあの日以来、会社で顔を合わせるのは初めてだった。午前中は社外に出ていたのか、姿を見かけないことに安堵していたのに…。
いつかどこかで顔を合わせることが避けられないのは理解していたが、彼がこの会社に来てすぐに、同じチームとして一つの案件に向き合うことになるなんて、予想すらしていなかった。