1度ならず2度までも君に恋をする
「昨日の会議、何度も議事録を読み返して、商品を口にして改めて考えてみたんです。ビター・ノアールのこと」
「うん」
「佐久間さんのデータが読み違いだったとか、そういうことは全く思っていません。ただ、これから頑張る自分のための"気持ちの切り替え"と、頑張った自分への"ご褒美"という考えは、共存できないのかと思いまして」
うまく言葉にできないまま、今私が表現したいことを懸命に言葉にした。その間、佐久間さんは急かすこともせず、まっすぐに私の目を見て聞いてくれていた。
普段の穏やかさとは違う、仕事の話になると見せる彼の真剣な眼差し。私は、その表情が昔から好きだった。
それは決して、恋愛感情ではない。けれど、仕事への誠実さから滲み出る佐久間さんの人間性を、心から尊敬している。
「もう少し詳しく聞かせて。どうしてそう思ったのか、とか」
「昨日、実際に食べてみてわかったんです。苦さは確かに、気持ちをすっきりさせ、喝を入れてくれる。でも、やっぱり後から来るほんのりした甘さも表現したくて…。欲張りかもしれませんが、両方伝えたいんです」
私の拙い訴えに、佐久間さんは「そっか」と短く言葉を零し、それからふわりと柔らかい微笑みを浮かべた。
「プレゼンはまだ先だからやってみたらいいと思う。俺は、森山の考えも間違ってないと思うよ」
「チームのみんなを困惑させてしまいますかね…。急に方向性を変えてしまったら」
時間を掛け戦略を詳細に練った佐久間さんに対して、感覚的な理由で揺さぶりをかけてしまった申し訳なさが込み上げる。
けれど、佐久間さんは「大丈夫」と、穏やかな声を発し言葉を続けた。
「ちゃんと説明したらわかってくれる。一度いろいろな方向性で考えて、森山らしいコピーにするのが一番だと思う」
「…佐久間さん、ありがとうございます」
真っ直ぐな言葉に胸が熱くなり、私は深く、感謝を込めて頭を下げた。佐久間さんはそんな私に少し笑って、首を横に振った。
「うん」
「佐久間さんのデータが読み違いだったとか、そういうことは全く思っていません。ただ、これから頑張る自分のための"気持ちの切り替え"と、頑張った自分への"ご褒美"という考えは、共存できないのかと思いまして」
うまく言葉にできないまま、今私が表現したいことを懸命に言葉にした。その間、佐久間さんは急かすこともせず、まっすぐに私の目を見て聞いてくれていた。
普段の穏やかさとは違う、仕事の話になると見せる彼の真剣な眼差し。私は、その表情が昔から好きだった。
それは決して、恋愛感情ではない。けれど、仕事への誠実さから滲み出る佐久間さんの人間性を、心から尊敬している。
「もう少し詳しく聞かせて。どうしてそう思ったのか、とか」
「昨日、実際に食べてみてわかったんです。苦さは確かに、気持ちをすっきりさせ、喝を入れてくれる。でも、やっぱり後から来るほんのりした甘さも表現したくて…。欲張りかもしれませんが、両方伝えたいんです」
私の拙い訴えに、佐久間さんは「そっか」と短く言葉を零し、それからふわりと柔らかい微笑みを浮かべた。
「プレゼンはまだ先だからやってみたらいいと思う。俺は、森山の考えも間違ってないと思うよ」
「チームのみんなを困惑させてしまいますかね…。急に方向性を変えてしまったら」
時間を掛け戦略を詳細に練った佐久間さんに対して、感覚的な理由で揺さぶりをかけてしまった申し訳なさが込み上げる。
けれど、佐久間さんは「大丈夫」と、穏やかな声を発し言葉を続けた。
「ちゃんと説明したらわかってくれる。一度いろいろな方向性で考えて、森山らしいコピーにするのが一番だと思う」
「…佐久間さん、ありがとうございます」
真っ直ぐな言葉に胸が熱くなり、私は深く、感謝を込めて頭を下げた。佐久間さんはそんな私に少し笑って、首を横に振った。