1度ならず2度までも君に恋をする
金曜日。一週間分の仕事をすべて片付けた後、私は会社の正面入口で佐久間さんと待ち合わせをした。
今日も、彼の行きつけのお店へ連れて行ってくれるらしい。行き先はまだ教えてもらっていない。
人混みの中に佐久間さんの姿を捉え、「お待たせしました」と駆け寄る。
「お疲れさま」
佐久間さんは見ていたスマートフォンをポケットにしまい、こちらを振り返って小さく微笑んだ。その柔らかな表情に、仕事モードだった私の心も和らいだ。
私は自然と佐久間さんの隣に並び「どこ行くんですか?」と問いかけた。
すると、佐久間さんは行き先を明かさず「着いてきて」と短く告げ、歩き出した。
佐久間さんは私の歩幅を気遣うように、ゆっくりと歩いてくれる。
「大分慣れてきたでしょ。俺も森山の隣を歩くの」
「合わせてもらって、ありがとうございます」
佐久間さんはふっと喉の奥で笑い、「いいえ」とだけ答えた。
その"俺も"という言葉の響きに、考えすぎかもしれないけれど、かつて私の隣を歩いていた真紘くんの記憶が、ゆっくりと上書きされていくような感覚になった。
佐久間さんにそんな意図はなかったかもしれない。だけど、胸の奥がひどくざわつく。
今日も、彼の行きつけのお店へ連れて行ってくれるらしい。行き先はまだ教えてもらっていない。
人混みの中に佐久間さんの姿を捉え、「お待たせしました」と駆け寄る。
「お疲れさま」
佐久間さんは見ていたスマートフォンをポケットにしまい、こちらを振り返って小さく微笑んだ。その柔らかな表情に、仕事モードだった私の心も和らいだ。
私は自然と佐久間さんの隣に並び「どこ行くんですか?」と問いかけた。
すると、佐久間さんは行き先を明かさず「着いてきて」と短く告げ、歩き出した。
佐久間さんは私の歩幅を気遣うように、ゆっくりと歩いてくれる。
「大分慣れてきたでしょ。俺も森山の隣を歩くの」
「合わせてもらって、ありがとうございます」
佐久間さんはふっと喉の奥で笑い、「いいえ」とだけ答えた。
その"俺も"という言葉の響きに、考えすぎかもしれないけれど、かつて私の隣を歩いていた真紘くんの記憶が、ゆっくりと上書きされていくような感覚になった。
佐久間さんにそんな意図はなかったかもしれない。だけど、胸の奥がひどくざわつく。