1度ならず2度までも君に恋をする
𓂃꙳⋆⭐︎
話は過去まで遡る。
コピーライターに憧れ、いつか自分の言葉が誰かの心を震わせるのを夢見ていたこともあり、コマーシャルのキャッチコピーに惹かれ、文学部もあったことから希望の大学に入学した。
サークルには元々入る予定も無かったのだけれど、廊下を歩いていたら映像研究サークルのポスターを廊下で見て、それから勢いで入部を決めた。
部室のドアを開けた先にいたのは、入学式の雨の中、無言で傘を差しだしてくれた真紘くんだった。彼も私に気付くなり、わずかに目を見開く。
まさかの再会に息を飲み、それから緊張をそっと吐き出してから、私は彼の方へと歩み寄った。
「あの、先日は傘…、ありがとうございました」
「濡れなかった?」
「はい。あの、先輩の方は?」
「俺も大丈夫」
彼は「気にしないで」とでも言うように、軽く首を振った。
そのまま会話の続きを探そうとした時、「新入生?」という弾んだ声が背後から降ってきた。
振り返ると、そこには見知らぬ上級生が立っていた。背が高く、陽光に透ける茶髪。少し垂れた目尻が、柔らかさを感じさせる。
「あ、はい。森山仁菜です」
「森山さん、ね。よろしく。俺は佐久間亮介」
佐久間さんは、隣に立つ真紘くんをからかうように口元を緩ませた。
「珍しいじゃん、佐野が女の子と話してるなんて」
「知り合いなんで」
確かに、まだ私達は知り合いでしかない。けれど、私は初めて出会った日から、真紘くんのことが、どうしようもなく気になり始めているのだと既に自覚していた。
話は過去まで遡る。
コピーライターに憧れ、いつか自分の言葉が誰かの心を震わせるのを夢見ていたこともあり、コマーシャルのキャッチコピーに惹かれ、文学部もあったことから希望の大学に入学した。
サークルには元々入る予定も無かったのだけれど、廊下を歩いていたら映像研究サークルのポスターを廊下で見て、それから勢いで入部を決めた。
部室のドアを開けた先にいたのは、入学式の雨の中、無言で傘を差しだしてくれた真紘くんだった。彼も私に気付くなり、わずかに目を見開く。
まさかの再会に息を飲み、それから緊張をそっと吐き出してから、私は彼の方へと歩み寄った。
「あの、先日は傘…、ありがとうございました」
「濡れなかった?」
「はい。あの、先輩の方は?」
「俺も大丈夫」
彼は「気にしないで」とでも言うように、軽く首を振った。
そのまま会話の続きを探そうとした時、「新入生?」という弾んだ声が背後から降ってきた。
振り返ると、そこには見知らぬ上級生が立っていた。背が高く、陽光に透ける茶髪。少し垂れた目尻が、柔らかさを感じさせる。
「あ、はい。森山仁菜です」
「森山さん、ね。よろしく。俺は佐久間亮介」
佐久間さんは、隣に立つ真紘くんをからかうように口元を緩ませた。
「珍しいじゃん、佐野が女の子と話してるなんて」
「知り合いなんで」
確かに、まだ私達は知り合いでしかない。けれど、私は初めて出会った日から、真紘くんのことが、どうしようもなく気になり始めているのだと既に自覚していた。