1度ならず2度までも君に恋をする
今日も仕事だと分かっていたのに、結局止めることができなかった。一夜の余韻を引きずった翌日の身体は気怠い。
私は一度帰宅して着替えを済ませ、何事もなかったかのように出社した。
真紘くんは既にデスクに座り、いつもと変わらぬ表情でモニターを見つめている。昨夜の甘く、熱い彼とは、全くの別人に見える。
「おはようございます」
周りに挨拶をしながらデスクへ向かうと、ふいに彼が顔を上げた。珍しく真っ直ぐに目が合い、一瞬だけ心臓が跳ねる。
「おはよう。森山さん、ちょっといい?」
昨日の事など無かったかのように振る舞う彼に少しだけ寂しさが胸を掠めるけれど、ここは職場だった。こんなこと考えている場合じゃない。
「今、抱えてる案件なかったよね。ビター・ノアールのコピーも終わったし」
「はい、何もないです」
「しばらく、ストプラ行ってきて」
「え?」
予想外の言葉に、思わず聞き返した。
局内での流動的な動きはあっても、他部署へのヘルプは滅多にないから。
「ストプラの伊勢さんがコロナで今週いっぱいお休み。急遽人手がたりなくなったから、佐久間さんからの指名でヘルプ欲しいって」
「私が、ですか?」
「そう。違う人だと一から教えるのはきついし、森山さんだと勝手がわかるからって今日朝一で内線掛かってきてた」
「そう、ですか」
断る理由はどこにもなかった。信頼されている証でもある。何より、仕事において私を必要としてくれているのだから、こんなにありがたい話も無い。
それにコピーを考える上でもう一度ストプラで学ぶことが私の役にも立つかもしれない。
「わかりました」
「今週いっぱいよろしく。俺は、多分今週はしばらく社内に居ないから、なにかあったら電話して」
「はい。ビター・ノアールの撮影そろそろですか?」
「うん。明日から始まる予定。今日は最終打ち合わせ」
「そっか…」
軽く頭を下げて彼のもとを離れる。
私はそのままストプラ局へ向かうための荷物をまとめ始めた。
私は一度帰宅して着替えを済ませ、何事もなかったかのように出社した。
真紘くんは既にデスクに座り、いつもと変わらぬ表情でモニターを見つめている。昨夜の甘く、熱い彼とは、全くの別人に見える。
「おはようございます」
周りに挨拶をしながらデスクへ向かうと、ふいに彼が顔を上げた。珍しく真っ直ぐに目が合い、一瞬だけ心臓が跳ねる。
「おはよう。森山さん、ちょっといい?」
昨日の事など無かったかのように振る舞う彼に少しだけ寂しさが胸を掠めるけれど、ここは職場だった。こんなこと考えている場合じゃない。
「今、抱えてる案件なかったよね。ビター・ノアールのコピーも終わったし」
「はい、何もないです」
「しばらく、ストプラ行ってきて」
「え?」
予想外の言葉に、思わず聞き返した。
局内での流動的な動きはあっても、他部署へのヘルプは滅多にないから。
「ストプラの伊勢さんがコロナで今週いっぱいお休み。急遽人手がたりなくなったから、佐久間さんからの指名でヘルプ欲しいって」
「私が、ですか?」
「そう。違う人だと一から教えるのはきついし、森山さんだと勝手がわかるからって今日朝一で内線掛かってきてた」
「そう、ですか」
断る理由はどこにもなかった。信頼されている証でもある。何より、仕事において私を必要としてくれているのだから、こんなにありがたい話も無い。
それにコピーを考える上でもう一度ストプラで学ぶことが私の役にも立つかもしれない。
「わかりました」
「今週いっぱいよろしく。俺は、多分今週はしばらく社内に居ないから、なにかあったら電話して」
「はい。ビター・ノアールの撮影そろそろですか?」
「うん。明日から始まる予定。今日は最終打ち合わせ」
「そっか…」
軽く頭を下げて彼のもとを離れる。
私はそのままストプラ局へ向かうための荷物をまとめ始めた。