1度ならず2度までも君に恋をする
「なんかあるよなあ。モデルとの繋がりかあ」
海くんがどこか羨ましそうに、独り言のようにこぼす。
「そりゃこの仕事してたらそういう業界人と出会うこともあるでしょ。何も珍しくないわよ」
夏帆ちゃんが冷めた調子で返すけれど、海くんは納得がいかない様子で首を振った。
「佐野さん、でも前職コピーライターだろ?現場来ないのにどうやって?」
「佐野さんは前から現場行ってたって聞くし」
「そうなんだ?意識高」
通常、コピーライターが撮影現場にまで立ち会うのは珍しいケースだけれど、言葉がどう表現されるかまで見届けようとする彼の姿勢は、いかにも真紘くんらしいと思った。
仕事に真摯なのは知っている。でも、その熱心がゆえに、私の知らないところで誰かと特別な縁を築いていたのだとしたら…。
喉の奥に、苦いものがつかえたような感覚が残った。
「仁菜」
夏帆ちゃんに名前を呼ばれ、私はハッとして顔を上げた。
「ん? なに?」
「…大丈夫?」
夏帆ちゃんは、海くんに悟られないように、言葉をぼかして私を気遣ってくれる。そんな彼女の優しさが胸に沁みて、私は無理やり口角を上げて「うん、大丈夫」と小さく笑って見せた。
大丈夫なわけ、ない。
本当は、気になって仕方がない。
仕事に熱心で、恋愛には無頓着そうに見えていた彼。そんな彼の電話一本で駆けつけ、またご飯に行こうと約束を交わす美しい女性モデル。
彼にとってその女性がどんな相手なのかも、どう思っているのかも…。
海くんがどこか羨ましそうに、独り言のようにこぼす。
「そりゃこの仕事してたらそういう業界人と出会うこともあるでしょ。何も珍しくないわよ」
夏帆ちゃんが冷めた調子で返すけれど、海くんは納得がいかない様子で首を振った。
「佐野さん、でも前職コピーライターだろ?現場来ないのにどうやって?」
「佐野さんは前から現場行ってたって聞くし」
「そうなんだ?意識高」
通常、コピーライターが撮影現場にまで立ち会うのは珍しいケースだけれど、言葉がどう表現されるかまで見届けようとする彼の姿勢は、いかにも真紘くんらしいと思った。
仕事に真摯なのは知っている。でも、その熱心がゆえに、私の知らないところで誰かと特別な縁を築いていたのだとしたら…。
喉の奥に、苦いものがつかえたような感覚が残った。
「仁菜」
夏帆ちゃんに名前を呼ばれ、私はハッとして顔を上げた。
「ん? なに?」
「…大丈夫?」
夏帆ちゃんは、海くんに悟られないように、言葉をぼかして私を気遣ってくれる。そんな彼女の優しさが胸に沁みて、私は無理やり口角を上げて「うん、大丈夫」と小さく笑って見せた。
大丈夫なわけ、ない。
本当は、気になって仕方がない。
仕事に熱心で、恋愛には無頓着そうに見えていた彼。そんな彼の電話一本で駆けつけ、またご飯に行こうと約束を交わす美しい女性モデル。
彼にとってその女性がどんな相手なのかも、どう思っているのかも…。