何度でも君と忘れられない恋をする
そうだけど、行く理由だって別にない。

伊倉はどうせ部活で来ないだろうし、伊倉以外とも話せるけどそこまで特別仲のいい友達がいるわけでもない。

それなのに、カラオケに行こうと思えるほど歌が好きなわけでもないし…考えてみたら行きたくない理由の方が多い。


「藍原くんも来てよ。お隣さんのよしみでしょ?私、藍原くんともっと話してみたいな」


やっぱり行かない、と言おうとしたのに、立花が笑顔でそんなことを言ってくるものだから何も言えなくなってしまった。


「…僕と?なんで?」

「んー何考えてるのかわからないところが気になるっていうのかな。とにかく、もっと知りたいし話してみたいと思ってるわけですよ」


告白のようなことを平気で言ってくる立花に、こちらが照れくさくなってくる。

きっと本人はこれっぽっちもそんな気はないのだろう。

天然の人たらしというか、自分の気持ちに正直で素直な女の子だ。


「まあ…暇だし、少しだけなら行ってもいいけど…」

「本当!?約束だからね!じゃあ早く帰ろー!」


立花は鞄を肩にかけると、さっさと教室を出ていった。

その後を僕も慌てて追いかける。
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