恋は手のひらの上で
『迎えに行きます。お店の場所、送ってもらえますか?』
「えっ、いいんですか」
思わず聞き返す。
『はい』
少しだけ笑った気配がした。
『俺も会いたいので』
その一言で、心臓が一気にうるさくなる。
「すぐ来てください」
『分かった。待ってて』
電話が切れる。
私はしばらくスマホを見つめたまま立っていた。
“待ってて”。
これは、今の私には強い言葉だった。
夜風で暴れる髪を押さえつつ、お店の位置情報を彼に送る。
すぐに既読がついた。
今度はお店へ大急ぎで戻ると、紗英たち二人が顔を見合わせる。
「ほら」
紗英が得意げに言った。
「ちゃんと連絡来たじゃん」
麻耶はおかわりしたなみなみのビールグラスを片手に、うなずく。
「いらない心配、するもんじゃないよ」
「…してない」
「してた」
「顔に書いてあったよ?」
私は小さく息をつく。
「うん。してた」
もういっそ、自分の心配を認める。
その方が気が楽だった。
二人は同じ笑顔で私を送り出してくれた。
「行ってらっしゃい」
「えっ、いいんですか」
思わず聞き返す。
『はい』
少しだけ笑った気配がした。
『俺も会いたいので』
その一言で、心臓が一気にうるさくなる。
「すぐ来てください」
『分かった。待ってて』
電話が切れる。
私はしばらくスマホを見つめたまま立っていた。
“待ってて”。
これは、今の私には強い言葉だった。
夜風で暴れる髪を押さえつつ、お店の位置情報を彼に送る。
すぐに既読がついた。
今度はお店へ大急ぎで戻ると、紗英たち二人が顔を見合わせる。
「ほら」
紗英が得意げに言った。
「ちゃんと連絡来たじゃん」
麻耶はおかわりしたなみなみのビールグラスを片手に、うなずく。
「いらない心配、するもんじゃないよ」
「…してない」
「してた」
「顔に書いてあったよ?」
私は小さく息をつく。
「うん。してた」
もういっそ、自分の心配を認める。
その方が気が楽だった。
二人は同じ笑顔で私を送り出してくれた。
「行ってらっしゃい」