恋は手のひらの上で
••┈┈┈┈••
会議室のドアを開ける。
久しぶりの、東央ヘルスケアの会議室。
保湿ジェルのシリーズ化に向けた打ち合わせのために、
私はまたここに来ていた。
資料を机に置くと、榛人さんが向かいの席に座った。
最初に会った日と、ほとんど同じ光景。
でも。
違うこともある。
心を許している、恋人。
そして、誰より信頼できる仕事のパートナーだ。
「また、よろしくお願いします」
榛人さんが手を差し出す。
初めて会った日と同じ、きれいな指先。
でも、今は知っている。
この手が、どんなふうに資料をめくり、
どんなふうにコーヒーを持ち、
どんなふうに、さりげなく私を助けてくれたのか。
そして─────
どんなふうに、私の手を取るのかも。
私は自然に笑みがこぼれて、そしてその手を握った。
「はい。また、よろしくお願いします」
その言葉のあと、彼がやさしく笑った。
会議室の窓の外で、午後の光が静かに揺れている。
握った手の温度が、しばらく残っていた。
最初に会った日、
名刺より先に目に入ったのも、
この手だった。
𓂃⟡.·おしまい𓂃⟡.·
会議室のドアを開ける。
久しぶりの、東央ヘルスケアの会議室。
保湿ジェルのシリーズ化に向けた打ち合わせのために、
私はまたここに来ていた。
資料を机に置くと、榛人さんが向かいの席に座った。
最初に会った日と、ほとんど同じ光景。
でも。
違うこともある。
心を許している、恋人。
そして、誰より信頼できる仕事のパートナーだ。
「また、よろしくお願いします」
榛人さんが手を差し出す。
初めて会った日と同じ、きれいな指先。
でも、今は知っている。
この手が、どんなふうに資料をめくり、
どんなふうにコーヒーを持ち、
どんなふうに、さりげなく私を助けてくれたのか。
そして─────
どんなふうに、私の手を取るのかも。
私は自然に笑みがこぼれて、そしてその手を握った。
「はい。また、よろしくお願いします」
その言葉のあと、彼がやさしく笑った。
会議室の窓の外で、午後の光が静かに揺れている。
握った手の温度が、しばらく残っていた。
最初に会った日、
名刺より先に目に入ったのも、
この手だった。
𓂃⟡.·おしまい𓂃⟡.·