俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
「ずっと気になってたんだけどさ。その、『一条先輩』っての、どうにかなんないの?」と、誠治は自分のストローを手で揺らす。「……確かに学年は一つ上だけどさ。だからって、『先輩』ってのは、なんか、落ち着かないよ」
「わたし、上下関係が厳しい部活に入っておったんで、逆に、先輩って呼ばんと落ち着かんがです。……先輩見かけたら廊下の隅寄ってきっちーんと礼せな目ぇつけられっし、やから先輩の悪口言うなんてありえんことで、絶対逆らえん、神みたいな存在やったんです。それが、中高の六年間やったもんで、からだに染みついておる感じで……」
「……部活って。なに」と誠治は身を乗り出す。
「吹奏楽部です」
「なに。ブラバンって、そんな厳しいの?」
「一見文化系やのにスパルタ体育会系でした」苦いものを混じえて彼女は笑う。「中学三年間やってこりごりやって思ったんに、高校入っても結局また入ってしもて……」
「そんなに、きみを惹きつけるものがなにか、あったんだろうね」
「え? ……そう。そう、です、ね……」真っ直ぐに誠治に見据えられ、なにか照れたように目を逸らす。
こっちを向かせたい。
「わたし、上下関係が厳しい部活に入っておったんで、逆に、先輩って呼ばんと落ち着かんがです。……先輩見かけたら廊下の隅寄ってきっちーんと礼せな目ぇつけられっし、やから先輩の悪口言うなんてありえんことで、絶対逆らえん、神みたいな存在やったんです。それが、中高の六年間やったもんで、からだに染みついておる感じで……」
「……部活って。なに」と誠治は身を乗り出す。
「吹奏楽部です」
「なに。ブラバンって、そんな厳しいの?」
「一見文化系やのにスパルタ体育会系でした」苦いものを混じえて彼女は笑う。「中学三年間やってこりごりやって思ったんに、高校入っても結局また入ってしもて……」
「そんなに、きみを惹きつけるものがなにか、あったんだろうね」
「え? ……そう。そう、です、ね……」真っ直ぐに誠治に見据えられ、なにか照れたように目を逸らす。
こっちを向かせたい。