俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
唯一、もともと使っていた紺色のトートバッグが浮いた感じではあるが――それすらも、彼女のかがやきをなんら損なわせる障壁にはならなかった。
彼女が、ひかり輝いて見えた。
透明な膜を取っ払った、若い女性がそこには存在していた。
全身、魅力的に変身した彼女は、誠治の姿を認めると、目を細めて笑いかける。「一条先輩、……遅くなってごめんなさい」
「……驚いたよ」素直に、誠治は感想を口にした。「すごく、……変わったね」
綺麗だね、という言葉を誠治は使えなかった。
恥ずかしかった。出会った頃の彼女を見下していた自分も。いま、素直に驚かされている自分も。
「ここ、座りますね」彼女が、誠治の正面の席にトートバッグを置く。書籍のいっぱい入ったバッグは重たそうで、彼女が『変わっていない』点を感じさせた。「なんか、……食べます?」
正直、おれは、胸いっぱいだ。
誠治が首を振ると、「じゃあ、わたし、喉乾いたんで、なんか買ってきますね。先輩、アイスコーヒーでいいですか」
誠治が返事をする前に軽い足取りで彼女は行ってしまった。
残された誠治は呆然と、見送る。
彼女が、ひかり輝いて見えた。
透明な膜を取っ払った、若い女性がそこには存在していた。
全身、魅力的に変身した彼女は、誠治の姿を認めると、目を細めて笑いかける。「一条先輩、……遅くなってごめんなさい」
「……驚いたよ」素直に、誠治は感想を口にした。「すごく、……変わったね」
綺麗だね、という言葉を誠治は使えなかった。
恥ずかしかった。出会った頃の彼女を見下していた自分も。いま、素直に驚かされている自分も。
「ここ、座りますね」彼女が、誠治の正面の席にトートバッグを置く。書籍のいっぱい入ったバッグは重たそうで、彼女が『変わっていない』点を感じさせた。「なんか、……食べます?」
正直、おれは、胸いっぱいだ。
誠治が首を振ると、「じゃあ、わたし、喉乾いたんで、なんか買ってきますね。先輩、アイスコーヒーでいいですか」
誠治が返事をする前に軽い足取りで彼女は行ってしまった。
残された誠治は呆然と、見送る。