俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 自由民主主義を標榜するアメリカという国家が、実は、イギリスから逃れてきた人間たちが、先住民を追い出したことで作られたこと。

 国民性とは、なにかとても確かで強化なことのように聞こえるが実は、国家によって作られた幻想であること。

 実体のない、とても不確かなものに過ぎない。

『わたしは○○人である』という感覚は、国家によって、歴史教育を通して、上手に国民に刷り込まれている。その人間の指先一本の末端に至るまで。歴史は、国家が自らを正当化させるための物語(ナラティブ)だ。

 それを聞いて、誠治は納得した。

 日頃、自分が『日本人』なんて意識もしない連中が、サッカーのワールドカップで勝ちあがると決まって渋谷で騒ぐ理由。あれも、ナショナリズムの一端だ。国家と国家がぶつかりあう舞台において、ナショナリズムは顕在化する。

『客観的に見て』などという枕詞を言う連中は、大概、反論するためだけにあれを用いている。受け入れられない意見があって物申したいためだけに必ず。要するに、自分を正当化したいだけなのだ。自覚のない半端なインテリ気取りなだけに質が悪い。
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