俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 打って変わって、日本は、養子に対して、ネガティブな印象が強いですよね。親がせっかくいいことしてるのに、子どもがいじめられたりして。街角で募金を献血をあれほどしろしろってせがんでるくせして、他人の子どもを養うっていう献身的な行為に対しては、みんな、不思議と冷たいんですね。……理解できないです。まあ、うちの田舎でも、両親の違う子どもとか、他の場所からやってきた子どもは、必ず差別の対象になりました。田舎は、温かいですけど、そういう排他的な部分は、わたし、好きになれないです。排他的なのは田舎に限ったことじゃないですけどね。というより、そもそも、『里子』って言葉の響きがなんだかアレな感じじゃないですか」

 なんかもっとほかにいい言い方ないんですかねえ、と彼女は紅茶に口をつける。熱かったらしい。その可愛らしい顔がすこし歪む。

「アメリカのみんなは、堂々としてましたよ。わたしの大切な子どもって言い切ってました。

 ……一条先輩のご両親にとっても、一条先輩のことは、同じなんじゃないんですか」

 思い返してみる。
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