俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 わたしの目からは自然と涙が流れていた。

 ぼろぼろ、だった。

 ずっとずっと、泣きたかった。

 ひと目があるから外だからそれをこらえて。苦しくて。平気な表情を作って。装って。

 ――まずい。

 喜ばしい場面のはずなのにわたしのなかから噴出するのは狂おしい苦しい感情だった。こんなの、……けいちゃんに悪い。

 悪すぎる。

 わたしは、けいちゃんに自分の誕生日を言ったことはない。彼氏ができてからは偶然彼氏と会う日に誕生日を迎えたのでプレゼントを買ってもらった。過去二回。

 どうしてけいちゃんは知っているのだろう。

 さっきスーパーで出くわした帰り。おれ、歯ブラシ買ってくるからさき帰ってて、と言って彼はわたしを先に帰らせた。そのときに買ったに違いない。愚かなわたしは彼がケーキの袋を持っているのにちっとも気づかなかった。

 こんなに周りのことが見えていないから、捨てられた。

『来年、結婚するんだ。だから、別れて欲しい』

 彼氏の人生から、追い出されたのだ。

 ――いいや、元彼氏か。
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