俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
「同情、などでは断じてありません」強い意志を持った彼女の声が響く。「実は、わたしは、本来は、もっと早く誠治さんのお宅を尋ねるつもりでした。けども、なかなか機会が訪れず――三年、待ちました。あるとき、わたしの送り迎えをしている使用人が急に、体調を崩しまして――その日しかチャンスはありませんでした。誠治さんが泣いておられる場面に出くわしたのは、本当に、偶然だったのです。
偶然というより、運命、だったのかもしれません」
誠治は一歩を踏み出した。かさりと葉が音を立てる。女は、まだ誠治を振り返らない。
「わたしは。別人のふりをして誠治様に近づくべきかそのとき迷いました。ですけどもわたしが男だったとしたら、見知らぬ少女に慰められるなんて、プライドが傷つくと考え、思いとどまりました。
その後悔は、いまでもわたしの胸に残っております」
偶然というより、運命、だったのかもしれません」
誠治は一歩を踏み出した。かさりと葉が音を立てる。女は、まだ誠治を振り返らない。
「わたしは。別人のふりをして誠治様に近づくべきかそのとき迷いました。ですけどもわたしが男だったとしたら、見知らぬ少女に慰められるなんて、プライドが傷つくと考え、思いとどまりました。
その後悔は、いまでもわたしの胸に残っております」