俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~

 国家は、暴力を備えた抑圧機関であり、警察・裁判所・監獄などは国家の命によりその権力を行使する――ことは自明ではあるが。こうした一元的な物の見方をせず、人間が自発的に国家に服従することに着目したのがかのアルチュセールであった。

 人間は、賃金を得るために働く。労働を続ける動機として、報酬を得るためだけというのではあまりに弱すぎる。働くことは正しいこと。人間のあるべき姿であり、また規範でもある。という考え方は、物心つく頃には彼のなかに内在化され、また、繰り返し繰り返し彼の内部へと刷り込まれていく。同じ労働者との関わりを通じて。彼自身の正しい行いを通じて。情報へのアクセス及び取得を通じて。
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