俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
「久しぶりだね、誠治くん。……すこし、痩せた?」
心配する口調とは裏腹に、この年代の女性に特有の自信と笑みを崩さない。
かつて、誠治が丈一郎と綾乃を結びつけるためにひとつの役目を頼んだ女性だった。
薄闇のなかで、彼女のブルーのドレスが浮かびあがって見えた。
* * *
誠治は彼女と話すときに、綾乃の話題を選んだりなどしない。過去のことだ。過去をいつまでも振り返っていても、仕方がない。後悔する材料があるならば、新しい行動で上書きするだけ。
現在、満たされた生活を送っている誠治に、過去を悔恨する必要などなかった。
相手は、いまだ独身。おそらく、生涯独身。というのは、「なんか、……小池くんや誠治くん見てると、男ってやだなあって幻滅しちゃって……ひとりでいいやって思えてくるの」
「おれで幻滅するなよ」誠治は苦笑いをする。「これでも、模範的な父親のつもりだぜ」親父に比べればな、と彼は内心でつけ足す。
心配する口調とは裏腹に、この年代の女性に特有の自信と笑みを崩さない。
かつて、誠治が丈一郎と綾乃を結びつけるためにひとつの役目を頼んだ女性だった。
薄闇のなかで、彼女のブルーのドレスが浮かびあがって見えた。
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誠治は彼女と話すときに、綾乃の話題を選んだりなどしない。過去のことだ。過去をいつまでも振り返っていても、仕方がない。後悔する材料があるならば、新しい行動で上書きするだけ。
現在、満たされた生活を送っている誠治に、過去を悔恨する必要などなかった。
相手は、いまだ独身。おそらく、生涯独身。というのは、「なんか、……小池くんや誠治くん見てると、男ってやだなあって幻滅しちゃって……ひとりでいいやって思えてくるの」
「おれで幻滅するなよ」誠治は苦笑いをする。「これでも、模範的な父親のつもりだぜ」親父に比べればな、と彼は内心でつけ足す。