俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
『国家のイデオロギー諸装置』とは非常に優秀で、このように、ひとりの女性の身体の隅々に至るまで、『理想の母親像』が行き渡っているわけだ。そして、悩み、苦しむ。
「結婚が人生の墓場だって台詞や、結婚がすべてじゃないよって台詞は、結婚している人間だからこそ吐けるんだろうね……正直、ぼくには、結婚相談所の世話になってまで結婚したい人間の気持ちが理解できないけど」と、誠治は一本目の煙草の火を消す。見れば、ほかの喫煙者は数名でしかもなにかの話題で盛り上がっているので、遠慮無く話ができる。「なにかを手に入れると必ずなにかを失うものだ。経験を重ねると素朴さを失ってしまうようにね。そうしていざ、結婚してみると、今度は自分のためだけに好き勝手に時間と金を使える独身者が羨ましくなってみたりしてね。……となると、結婚するきっかけに他人が介在していると、その結婚がうまくいかなくなった場合に、その他人のせいにしたりしないか、ぼくは懸念するけどね。隣の畑はどこまでも青い。けれど、きみの人生は、ほかの誰でもない、きみだけのものなんだ。いま、きみが独身であることについてとやかく言うやつが、生涯、ずっときみの傍に居続けて文句を言い続けると思う? 死ぬまで?」
そんなの、よっぽどの物好きか、あるいはきみに好意を持つ男でもないと、不可能だよ。
「結婚が人生の墓場だって台詞や、結婚がすべてじゃないよって台詞は、結婚している人間だからこそ吐けるんだろうね……正直、ぼくには、結婚相談所の世話になってまで結婚したい人間の気持ちが理解できないけど」と、誠治は一本目の煙草の火を消す。見れば、ほかの喫煙者は数名でしかもなにかの話題で盛り上がっているので、遠慮無く話ができる。「なにかを手に入れると必ずなにかを失うものだ。経験を重ねると素朴さを失ってしまうようにね。そうしていざ、結婚してみると、今度は自分のためだけに好き勝手に時間と金を使える独身者が羨ましくなってみたりしてね。……となると、結婚するきっかけに他人が介在していると、その結婚がうまくいかなくなった場合に、その他人のせいにしたりしないか、ぼくは懸念するけどね。隣の畑はどこまでも青い。けれど、きみの人生は、ほかの誰でもない、きみだけのものなんだ。いま、きみが独身であることについてとやかく言うやつが、生涯、ずっときみの傍に居続けて文句を言い続けると思う? 死ぬまで?」
そんなの、よっぽどの物好きか、あるいはきみに好意を持つ男でもないと、不可能だよ。